日本シリーズの球場の決め方は？2020年は京セラだし不公平？

今年のプロ野球（NPB）シーズンの最後を飾る日本シリーズ2020が開幕しました。2年連続での顔合わせになった「巨人vsソフトバンク」、どちらが日本一の栄冠をつかむのか注目されます。

さてコロナ禍のためかなり異例な形となった今年のプロ野球。日本シリーズも同じで様々な特例が設けられていますが、中でも特殊なのが巨人の本拠地球場です。今年に限り通常の東京ドームではなく「京セラドーム大阪」になってしまったのです。一体なぜ？そもそも日本シリーズの球場の決め方ってどうなっているのか、調べてみました。（出典：Wikipedia、各スポーツメディアなど）

日本シリーズの球場の決め方は？

パ代表のソフトバンクとセ代表の巨人の戦いとなった日本シリーズ2020。普通なら試合はソフトバンク本拠地の福岡PayPayドームと巨人の東京ドームで行われるはずですが、今年は巨人については京セラドーム大阪に変更されました。その理由は次項でご説明するとして、そもそも、日本シリーズを行う球場の決め方ってどうなっているのでしょうか。

NPBの全ての試合は「日本プロフェッショナル野球協約」（以下野球協約）というルールに基づいて行われています。この中に「地域保護権」という定めがあります。これは各球団の地域フランチャイズを規定したもので、各球団は都道府県単位で「地元（＝保護地域）」が指定され、地元ではその球団が活動の全てを独占する権限が与えられます。

球場も「保護権」の一つで、野球協約によって12球団は地元にある1つの専用球場（本拠地球場）で公式戦ホームゲームの半数以上を主催する義務を負います。例えば、東京都が地元の巨人なら東京ドーム、福岡県が地元のソフトバンクならPayPayドームがそれです。

そしてNPBが主催者となる日本シリーズについても、野球協約の規定で出場球団の本拠地球場を使用するのがルール。地域保護権は1952年に定められましたので、これ以降現在に至るまで、日本シリーズはセパ各チームの本拠地球場で交互に開催する形になっています。

2020年日本シリーズはなぜ京セラか？

このように日本シリーズの球場は、野球協約に従い両チームの本拠地を交互に使う決め方となっているわけですが、ではなぜ今年の日本シリーズ2020では、巨人は東京ドームではなく京セラドームを使うことになったのでしょうか。

なぜ巨人が京セラ？

理由は「コロナ禍」です。今年は本来東京五輪が予定されていたため、例年夏場に東京ドームで開かれる社会人の「都市対抗野球」は昨年のうちに11月22日開幕に変更されていました。日本シリーズも当初は11月初めの予定だったため、仮に巨人が出場しても問題なかったのですが、コロナ禍で状況が一変。

プロ野球開幕が3カ月遅れ日本シリーズも都市対抗とバッティング。セを制した巨人は別球場を探さざるを得なくなりました。東京には神宮球場もありますが、晩秋の屋外ナイターは寒く雨天中止も心配。そこで、場所は東京から離れるものの、過去に主催試合経験がある京セラドームなら「運営のノウハウがあり比較的『ホーム』に近い」（巨人）と判断されたようです。

過去に別球場事例は？

そして日シリ2020の京セラ開催は実はNPB史上初の歴史的事例となります。というのは、過去に様々な事情から本拠地球場以外で日本シリーズが行われた例はいくつかあるものの、保護権ある地元自治体を離れたのは今回の巨人が初めてなためです。

過去には例えば、近鉄が当時南海の本拠地だった大阪球場を使用したことがあります。近鉄の本拠地は藤井寺球場でしたが、ナイター設備がなく、公式戦では近隣の日生球場を多く使っていました。しかしここは収容人数2万人強と日本シリーズ開催の規定を満たさず、結局1979、80年のシリーズ「近鉄vs広島」の近鉄本拠は大阪球場となったのが経緯です。

日本シリーズ2020の球場に関するみんなの反応

出典：twitter

まとめ

今回の記事をまとめると以下の通りです。

2020年、人間社会は新型コロナウイルスに滅茶滅茶に翻弄され苦しめられました。プロ野球界もその代表的な一つだったわけですが、今まさにコロナ禍は第三波が到来中。まだまだいつまで続くのか見通せません。

政府では感染爆発が起きる恐れが高まれば、球場の入場制限を強めることも検討するといいます。選手や大勢の関係者、ファンが長距離移動を伴う日本シリーズ2020。何とかクラスターなどを出さず無事に終えてもらいたいものです。