10月に入り、幼稚園や保育園の申し込みシーズンがやってきました。
今年申し込んだご家庭は、今までにいろいろな園の情報を集めたり、実際に見学に行ったりと忙しい日々を送ってこられたのではないでしょうか。
10月は保活シーズンということもあり、園はどのように選べばよいか、また病児保育の利用などについて書かれた記事がニュースのトレンドに上がってきています。
そこで、トレンドに上がってきたその記事の紹介と、YouTubeを発信している保育士さん、そして保護者といろいろな立場からの「園の選び方」を紹介します。
【保活】保育園・こども園・幼稚園どう選ぶ?病児・病後児保育の利用の仕方は?
トレンドに上がった記事では、小児科医の森戸先生と病児保育に関わる小児科医の田中先生に伺った内容が書かれています。
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/22189/image/619898
園を選ぶときのポイント(森戸先生より)
園を選ぶときに大切にしたいポイントは以下の通りです。
- 心身ともに安全であること
- のびのびと自主的に運動や活動ができること
- 園の方針を聞いてみること
- 家から近い
それでは詳しく説明します。
まずは、子どもの安全が一番大事ということです。
静岡県の認定こども園のバスに子どもが置き去りにされた事件がありました。
このような事件が起こるということは、日ごろから出欠確認や定期的な点呼、誤飲がないように食事の見守りや午睡時の呼吸の確認など、子どもたちの安全を守るためのチェックがきちんとされていなかった可能性があります。
そのため、まずは「安全」に過ごせる園かどうかを見極めることが重要です。
安全な園なら子どもものびのびと遊べ、保護者も安心してお任せすることができます。
これらのことを知るには、見学に行ったとき「園の方針」を聞いてみると良いです。
偏った思想の園はリスクが高いので避けた方が良いでしょう。
例えば「裸足で泥遊び」をさせている園で、なおかつ医療やワクチンに否定的な場合は、土の中の破傷風菌に侵されてしまう可能性があります。
そのような園は「安全」ではないので、安心して預けられないということになります。
病児・病後児保育のこと(田中先生より)
入園すると病気にかかることが多くなります。
仕事をしている保護者の方は、子どもが病気になると仕事を休まなければいけませんね。
しかし、どうしても休めないという場合に病児・病後児保育に預けることが可能です。
- 病児保育:症状があるときでも預かってくれます。
- 病後児保育:症状が治まっても一定期間経過しなければ登園できない感染症の場合、症状が治まってから登園するまでの間、利用できるところです。
このような病児・病後児保育は、どこにでもあるとは限りません。
そしてあらかじめ登録をしておく必要があるので、園に通いだして病気をしてから探したのでは間に合わなくなってしまいます。
そのため事前にリサーチして登録をしておくようにしましょう。
登録さえしておけば、必要な時に連絡をして予約をするだけで大丈夫です。
ただ季節や病気の流行によって殺到することがあり、いつでも利用できるとも限らないので要注意です。
施設が複数あって選べるなら、病院が併設されているところが安心でしょう。
病児・病後児保育の施設を利用するほかに、ベビーシッターのような派遣型の機関も利用することができます。(派遣型でも事前の登録は必要です。)
登録をするときは、その施設やベビーシッター機関のルールや持ち物などもしっかりと把握しておくようにしましょう。
病児・病後児保育の施設を検索するのに「あずかるこちゃん」というアプリのマップが役に立ちます。
現・元保育士や幼児教育者にも「園を決める時のポイント」を聞いてみよう!
次は現・元保育士さんや幼児教育者等で、「園の決め方」をYouTubeで発信している方のアドバイス(意見)をまとめてみます。
① 現保育士(産休中)で3児の母でもあるAさんからのアドバイス
- 見学は必ず行く
行く時間は午前中(10時前後)で、GW以降が良いです。
保育室や園庭を見るだけでなく、先生の子どもへの接し方や遊び方などを見ます。 - 園の方針を知る
どのような園生活を希望するか夫婦で話し合い、その内容と子どもの様子が園の方針に合っているかを確認します。(のびのび遊ばせたい、丈夫な体つくりに重きを置く、勉強もさせてほしい、など)
② 元保育士(3年勤務経験)のBさんからのアドバイス
- 下調べは入念にする
1回の見学ではわからないので、たくさんの園に見学に行って比較することをお勧めします。
見学は午前でも良いですが、午前中は子どもたちが散歩に行くことも多いので、夕方でも良いです。 - 保育方針やカリキュラムを知る
保育方針が希望に合っているか、カリキュラムも確認します。 - 第三者評価を参考にする
設立されて一定の期間が経過している園なら、保護者のアンケート結果をネットで調べることができるので、それを参考にします。 - 入園前に子育てクラブに参加をする
子育てクラブ(サークル)に子供と一緒に参加をすれば、様々な園の情報が入りやすくなります。 - 施設を見学する場合
部屋の中に水道やトイレ、ロッカーがあるかどうかを確認します。(部屋の中にあれば子供自身が自分の荷物を出し入れができ、手を洗うのも保育者が付き添いやすい)
園が道路に面していて、不審者が入りやすくないか、靴箱などの名前が見られやすくないかをチェックします。
保護者がどこまで入れるかをチェックする。部屋の中まで入れると子どもたちの様子もわかるので理想的です。
③ 幼児教育コンサルタント「TERU」のYouTube「子育て勉強会」からのアドバイス
- 親の負担、家族の負担にならないこと
園の方針や特色に賛同するのは大きなポイントだが、「○○教室」などで費用がかかったり、遠い園に通うことになり送迎の負担がかかると、親の方がしんどくなってしまいます。すると、余裕を持った子育てができなくなります。 - 世の中のトレンドではなく子どものリアルを見る
例えば、「幼児期はのびのびと遊ばせる方が良い」という風潮に乗り、思いっきり遊ぶことを主とする園に通った結果、小学校に上がったときに、椅子に座っていられないとか、勉強ができないなどの不具合が出てきて子どもが自信喪失になった、ということが実際にあったりします。世の中の風潮に流されるのではなく、実際に子どもの様子や地域性などを考えて、見合った園を選ぶことが大切です。 - 先生の雰囲気と表情を見る
明るい雰囲気の中にいると明るい子に育つので、笑顔で明るく接してくれる先生かどうかを見ます。
「また○○したら○○だからね」というようにマイナスな言葉で、いうことを聞かせようとしていないかを見ます。
先生の経験年数は問わず、何か相談をしたときに、真剣に聞いてくれ寄り添ってくれる先生かどうか、信頼できるかどうかを見ます。
保護者の立場からの「園を選ぶポイント」も聴いてみよう!
① 4児の母でユーチューバーのCさんからのアドバイス
〈保育園の場合〉
- 地域の保育園事情と、個別の園の様子を知る
「地域にある保育園の数」「待機児童数」など地域の情報を知っておき、「どの範囲の所までなら行けるか」を考えておきます。
個別に園を見るときは、「入りやすい園かどうか」「園の規模はどうか」「どのような行事があるのか」「園の方針」などについての情報を得るために一度は見学に行くことをお勧めします。
〈幼稚園の場合〉
- 家からの距離
送迎バスがあるところを選ぶと、車が無くても行ける範囲が広がります。 - 子どもの園生活を想像する
我が子が楽しく過ごせそうな園なのか想像をしてみます。 - 親の参加具合を知る
行事が多いと子どもたちは喜びますが、親の手伝いの出番が多くなると親の負担が大きくなります。特に共働き家庭には大きな負担になります。 - 通常保育の時間を確認
ほとんどの幼稚園が通常時間外の預かり保育をするようになりました。
園によって通常保育時間が異なります。16時まで子どもを預かってほしい場合、14時までが通常保育時間の園なら2時間の延長料金が発生しますが、16時までが通常保育として扱う園なら費用は掛からないので、通常保育時間が長い園の方が親の費用負担が少なくて済みます。
② 3児の母、「藤本美貴(ミキティ)」からのアドバイス
- 家から近いこと(マスト)
- 園に見学に行くか電話をする
見学がベストですが、コロナ禍や忙しいなどの理由で見学に行けない時は、ホームページなどで調べた後、園に電話をします。
声のトーンや質問に対する対応の仕方、後ろで聞こえる子どもたちや先生の声、言葉などを聞いて判断します。 - 園に求めすぎるもの良くない
まとめ
保活について小児科の先生のアドバイスのニュースがありました。
それにちなんで、保育士や教育者の目線から、また保護者の目線から、「園の選び方」についての意見をYouTubeで聞いてまとめてみました。
「園の選び方」のポイントに関する意見は、いろいろありますが、中でも多かったのは以下の通りです。
- 先生方の、子どもや保護者に対する対応・接し方を見る
- 園の方針に賛同できるところを選ぶ
- 親・保護者の負担にならないところを選ぶ(距離や費用、出番など)
子どもは十人十色、親の考え方も様々です。
「子どものうちはいっぱい遊ばせたい」という考えの方もいれば、「小さいうちから勉強や何かを始めた方が良い」という考え方もおられます。
しかし何よりも子どもが毎日過ごす場所です。
普段から自分の子どもの様子をよく見て、子どもに合ったところを選ぶのが一番です。
「子どもが楽しんで遊べるか想像をする」という親目線の意見がありましたが、まさしくその通りだと私も思います。
ちなみに、私個人は、ウン10年前に子どもたちを幼稚園や保育所に入れる時、一番の決め手にしていたのは、「家(職場)から近いところ」でした。
幼稚園でも保育園でも、小さいうちは急に熱が出たりして迎えに行かなければいけなかったり、親が参加しなければいけないこともたくさんあります。
それに家の近くだと、入園するまでから子どもと一緒に見に行きやすいので、「なじみのある場所」になるからです。
この記事で挙げた園選びのポイント以外にもまだあるでしょう。
参考のひとつにしていただければありがたいです。