尾上松也が率いる『新春浅草歌舞伎』
次世代を担う歌舞伎俳優の一人・二代目尾上松也
近年はミュージカルやバラエティ番組などにも出演し歌舞伎以外にも活躍の場を見せ、次世代を担う歌舞伎俳優の一人とも言われてますが、そのな松也さんが去年新春から30年程続いてる若手の登竜門的存在の舞台『新春浅草歌舞伎』(浅草公会堂)にて2年連続出演されました。
去年今年の新春浅草歌舞伎での出演は若手を引っ張る中心的存在の松也さんだが色々な苦悩もあったようです。
今回はそんな松也さんの新春浅草歌舞伎に対しての思いや苦悩などのインタビューの記事をまとめてみました。
浅草歌舞伎には色んな思い入れがあります。
と、語る松也さん。
新春浅草歌舞伎は若手の登竜門と言われ今までも市川猿之助さんや中村獅童さんらも出演し、この舞台への出演は若手が大役に挑戦できるチャンスです。
今までの松也さんはまだ無名の歌舞伎俳優だった09年に初出演を果たしたのだが、翌年にはメンバーに入れず次回の出演は13年と、レギュラー定着には至らなかった。
「ああ、なんでここに入れてくれないんだろう。一緒にやりたいな」
「2度出させてもらって、そのつど、これで浅草レギュラーになれると思ったら、また翌年外れて…というのを繰り返してるんです。
複雑な思いが交錯してました。
だから毎年、浅草の動向は気になってましたし、常に目標でした」
と、浅草歌舞伎に対しての思い入れは人一倍だったそうです。
そんな松也さんの思いが通じたのか去年には新春浅草歌舞伎を任される役に抜擢。
今までは有名な先輩方を支える立場だった松也さんだが、今度は新たに公演に参加する若手を引っ張って行く立場となったのです。
「去年は1年通じて、どの公演でもチラシに大きく載って、一座の看板役者として出させてもらいました。
自分が担う責任や影響を考えるようになりました。
特に浅草は、真ん中にいさせてもらえるわけですから、気にすべきところはほかの公演に比べてあります」
そして今公演の『義経千本桜 川連法眼館の場」では、佐藤忠信と忠信に化けていた源九郎狐の2役に初めて挑んだ松也さんは、
「大変だろうとは想像してました。
ある意味、想像通りに大変です(笑い)。
本当の忠信の場面と、狐忠信の場面、ざっくり2つに分かれます。
楽なように見えて大変なのは、前半、本当の忠信の場面です。
少ない時間と少ないせりふ、少ない動きの中で、表現しなくてはいけない。
逆に、狐忠信の場面は、自分の思いを存分に語りますから、どれだけ深くたっぷり演じられるか、です」
と、自分に任せられた立場や役柄の責任をしっかりと認識し務め上げていくとの事。
そして今年の新春浅草歌舞伎でも去年と同じ立場で出演し、見事レギュラー役者として連続出演も果たしました。
去年の新春浅草歌舞伎では世代交代?
一昨年2014年の浅草公会堂での新春浅草歌舞伎は、今旬な片岡愛之助さんや市川猿之助さんという有名二大看板で正月を大いに賑わせましたが、翌年の2015年は近年稀に見る”若返り”が実現。
若い年代への”世代交代”とも言われました。
メインの尾上松也を筆頭に・・・
尾上松也を筆頭に、中村歌昇、坂東巳之助、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村児太郎。
なんと平成生まれも混ざった全員がまだ二十代(松也は当時29歳)という若さ。
「これだけ若い役者だけの公演は、なかなかないと思う。新たなスタートを切るつもりで、やらないといけないと思っています」
と、筆頭の松也さんは気を引き締めての挑戦です。
そして今年の新春浅草歌舞伎は?
1月2日に浅草公会堂での開幕、恒例の鏡開きが行われました。
尾上松也
あけましておめでとうございます。
昨年の新生『浅草歌舞伎』から2年目となります。
昨年は、地元の皆さんなど多くのご協力いただきながら1カ月間を乗り越えられました。
今年は新たに、坂東新悟君、中村国生君、そして、中村錦之助兄さんのご協力をいただきまして、また新たな『浅草歌舞伎』ができると思います。
1月はライバル公演の多い月でございます。
まだまだ未熟ではあると思いますが、気持ちと情熱だけはどの劇場にも負けないように、舞台からお客さまに気持ちを届けたいと思います。
坂東巳之助
また、この場所から始まる1年を迎えられることができて、本当にうれしく思います。
僕は、3年連続5回目の出演で、最初のころは若手の中でも下から数えた方が早いくらいに若かったのですが、気が付けば、まだ26歳にもかかわらず、上から数えた方が早いということになりました。
近ごろもの忘れが激しく、今朝も何か忘れ物をしたと思って戻ったら、何をしに戻ったのかと目的を忘れ、そのまま家を出て、忘れ物が思い出せないまま今ここにいます(笑)。
ですが、芸への真摯な気持ちと初心は忘れずに、一生懸命1カ月間頑張っていきますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
坂東新悟
『浅草歌舞伎』は3年ぶりですが、1部2部ともに出演させていただくのは、初めてのことで非常に身の引き締まる思いです。
私が加わってレベルが下がったと言われることのないように、一生懸命勤めたいと思います。
『浅草歌舞伎』は、役者が成長していく姿をお客さまに観ていただくことも醍醐味の一つだと思いますので、毎日進化し続ける舞台を、お約束したいと思います。
その後、中村米吉、中村隼人、中村国生、中村錦之助のコメントが続きました。
当日の浅草公会堂前には朝早くから歌舞伎ファンが集まり、多くの声援で賑わいをみせました。
2016新春浅草歌舞伎の公演情報
公演期間:2016年1月2日(土)~1月26日(火)
会場:浅草公会堂
住所:〒111-0032 東京都台東区浅草1-38-6
キャスト:尾上松也、坂東巳之助、坂東新悟、中村米吉、中村隼人、中村国生、中村錦之助
浅草公会堂
毎年新春浅草歌舞伎の舞台ともなってる『浅草公会堂』
1977年に開演し、歌舞伎の舞台のみじゃなく映画の上映会、舞踊なども行われている。
浅草公会堂といえば、”手形”を連想する方も多いのではないでしょうか?
ビートたけしさんや明石家さんまさんらの著名人や有名人または浅草にゆかりのある人の手形が正面入り口前には多数あり、それが目当てで訪れる観光客も多いそうですよ。
浅草公会堂・催し物情報
新春浅草歌舞伎は終了してしまいましたが、今後の浅草公会堂での催し物情報載せてみました。
【5月】
14日・演歌新時代 山内惠介熱唱ライブ2016~感謝の気持ちを歌に込めて!~
20日・心屋仁之助性格リフォーム心理カウンセラー講演会2016 ~自分らしさを取り戻す~
21日・正派全国新日本舞踊協会主催全国舞踊大会
22日・日本現代舞踊内海流 内海会
23日・梅沢富美男劇団特別公演梅沢富美男&松崎しげるトミーとマツ 白と黒の夢の共演
5月は以上です。
『尾上松也「浅草公会堂はずっと出たかったんです。」』・まとめ
今回は尾上松也さん率いる正月の風物詩、新春浅草歌舞伎について調べてみました。
30年以上続いてる同舞台は若手の登竜門とし、今現在第一線で活躍されてる有名歌舞伎役者も出演されてきました。
その舞台も去年若返りを求め世代交代し、今後の歌舞伎界を背負うであろうまた新たな若手も出演してきました。
数年後にはこの舞台出身の人気歌舞伎俳優が誕生するかもしれません。
今後も新春浅草歌舞伎は、歌舞伎公演が多い1月の中でも注目する舞台の一つでしょう。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。